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論文紹介

慢性腎不全患者の血中アミノ酸濃度と必須アミノ酸療法の検討


今回は
(論題)
慢性腎不全患者の血中アミノ酸濃度と必須アミノ酸療法の検討

という論文をご紹介いたします。

この研究は
慢性腎不全患者と健常人ではタンパク質代謝(*1)や腎尿細管のアミノ酸動態が全く同一であるか否かが不明であるため、慢性腎不全患者のアミノ酸代謝を検討し現在行われている低たんぱく食のアミノ酸組成について改善することが長期にわたる保存的療法を可能にするのではないか。

上記の考えから行われました。

*1.タンパク質代謝…タンパク質はアミノ酸からできており食事で摂取したタンパク質が小腸でアミノ酸に分解され肝臓に運ばれる。肝臓でこのアミノ酸が様々なタンパク質に合成されそれらは血中に、使われなかったアミノ酸が分解され窒素酸化物→アンモニア→尿素とな尿中に排泄される。この一連の働き。

この実験により
極度の摂取蛋白制限下の慢性腎不全患者に投与した必須アミノ酸はそれに相当する窒素量を含む食事蛋白よりも有効に体蛋白合成に利用され、BUN(*)値も抑えられることがわかり食事療法のみで管理が困難な症例に適用し得る可能性があることが分かりました。

*2.BUN…血中尿素窒素。正常値は約10-20mg/dl。蛋白質の多い食事等の影響でも数値が上昇することがあるためCre(クレアチニン)等と共に血液検査で腎機能の評価がなされる。


詳しい内容は以下に記載致しますのでご興味のある方はどうぞご覧くださいませ。






<研究対象者・施した処置>

必須アミノ酸溶液の投与
  42歳男性、BUN 95mg/dlの慢性腎不全患者
  尿及び糞便中の窒素排泄量を摂取窒素量より減じ窒素バランスを求めた。
  投与した必須アミノ酸溶液には200ml中アミノ酸10.84g、窒素量として1.42g含有。
  組成はイソロイシン・ロイシン・リジン・バリン・メチオニン等9種類のアミノ酸を使用。

<処置前後の変化の確認方法>
  必須アミノ酸溶液の投与によるBUN(*2)、血清クレアチニン(*3)、窒素バランスの変化を確認。

*3.クレアチニン(Cre)…主に筋肉に含まれるアミノ酸。特殊な事情がない限り排泄量は一定。食事中のタンパク質量で変動するBUN(*2)とともに血液検査で腎機能の評価がなされ、両者の比較により腎障害の原因がどこにあるのか見当をつける。

<結果>
アミノ酸溶液の投与前の窒素排泄量は窒素バランス(*4)は負となっているものの投与中に比べ明らかに多量。
→摂取されたアミノ酸がタンパク合成に利用されずに代謝された結果と考えられる。

*4.窒素バランス…食事中の窒素化合物が排泄物中の窒素より多い(正の平衡)か少ない(負の平衡)か。腎臓病では窒素の排泄が悪くなる為、食事中の窒素を減らして(負になるよう)なるべくバランスを取るようにする。

アミノ酸溶液投与中は窒素バランスが正であるにもかかわらず窒素排泄量が投与前に比べ減少しBUNが上昇していなかった。
→摂取された窒素が効率よく蛋白合成に利用されたと推測。

更にアミノ酸投与期間中は嘔気・食欲不振の改善がされたが体重変動はなく血漿蛋白や赤血球・ヘモグロビン量も不変。

③また、アミノ酸溶液の投与中止後食事蛋白を増量し投与中と等しい窒素摂取量となるようしたがBUNが増加する結果となった。



<結論>
極度の摂取蛋白制限化の慢性腎不全患者に投与した必須アミノ酸はそれに相当する窒素量を含む食事蛋白よりも有効に体蛋白合成に利用されることを知り、さらに食事療法のみで管理困難な症例に適用し得る可能性を得た。

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